わたしはこの想いから逃げた、それは自分への裏切り行為だった。

東京で会った日以降、
わたしの中で何かが終わった。

もうラクになりたい。

それが正直な気持ちだった。

だから、わたしはこの想いから逃げることにした。

一方的にさよならのメールを送り、そのまま携帯を解約

彼の置いていったモノ、
預かっていた服や靴など、全部捨てた。
写真も破り捨てた。

彼と繫がるモノ、全部わたしの周りから排除した。

でも、記憶は五感となって襲ってきた。
耳元で彼の声がする。
ふっとタバコの香りを思い出す。
全ての感触がより鮮明になる。

それはまるで禁断症状だ。

もう電話はならない。
メールも来ない。
彼の声を聞くことも、彼の姿を見ることもない。
もう苦しまなくてもいい。
もう悩まなくてもいい。
もう、彼が面倒を起こしても、一切心配しなくてもよいのだ。

でも、それがこんなに辛いなんて!

未練とかではない。
後悔しているわけでもない。

ずっと彼のためにだけ生きてきた。
そういう10年間だったのだ。

今日からは自分のために生きよう。
行きたいところに行き、やりたいことをするのだ。

そう自分に言い聞かせ続けた。

記憶を消すことは出来ない。
想いも捨てることも出来ない。

でも、この「熱さ」
これなら忘れることが出来る。
フタをしてしまえばいいのだ。

想いから目を逸らし、事実だけを見る。
そうすれば、これは単なる「思い出」となる。

そしてわたしは「熱い想い」からも逃げた。

でもそれは自分自身を裏切る行為だった。

 

 

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