陽の当たらない場所から吹く風

6年前まで、わたしは遠距離恋愛をしていた。

友人たちには反対される恋愛だった。

家族には認められない恋愛だった。

その間、ずっとわたしは孤独だった。

反対されればされるほど、冷たい孤独と言う鎧を纏った。

彼を想う一方で、わたしは全ての想いを切り離そうとした。

何も要らない。

誰に理解してもらおうなんて思わない。

彼さえいればいい。

その想いは、熱い想いと反比例して、

わたしのココロの一部分を氷で覆った。

でも、そうまでして守りたかった想いを、わたしは手放してしまった。

結局一番欲しいモノを、わたしは手に入れることができなかった。

その心の傷は、決して癒えることはなかった。

そして、自分不信という、もっとも冷たくて暗い氷が、

解けない雪のように、わたしのココロの中にいつもある。

もう誰も愛さない。

もう何も信じない。

もう何も求めない。

そうすれば、もう傷つくことはない。

わたしは自分自身に言い聞かせた。

カッコいいと思える自分になればいい。

いつも前だけを見ている、

いつも輝いている、

太陽のように生きる、

そういう自分になればいい。

そうすれば、きっと、うまくやり過ごせる。

いつも笑っていられるだろう。

でも、氷のある場所から時折吹く、冷たい風は、

いつもわたしに問いかける。

このままでいいの?

それで、傷は癒えるの?

それが望んでいる生き方なの?

今、ようやく熱さを思い出したわたしは、

同時に、この暗くて冷たい場所も忘れることは出来ない。

全ての出来事は、表裏一体なのだから。