「音楽」と共に生きる

今、一番希望の多い就職先、

今、一番希望の多い結婚相手、

それは「公務員」である。

収入が安定している。

勤務時間も一定だし、土日祝日もお休みが取りやすい。

そういった理由だと思う。

わたしの母も教師という公務員だ。

そして、わたしたちにずっと公務員になることや、

結婚相手は公務員のような人を選ぶように進めてきた。

でも、母の言葉には深みがある。

何故なら、母の言葉の下には、

自分の経験から湧き出る想いがあるからである。

母は母子家庭で育った。

祖母は小さな商店を営み、ほとんどがその日暮らしだったという。

人の好い祖母は、急場のツケを断れなかった。

そのため、祖母は母を連れ、月末には集金に回った。

その玄関先でのやり取りを一部始終母は見ていた。

お勤めで、お給料がもらえる仕事に就こう、

そう考えるようになった。

その母の生きる支えだったものが「音楽」だ。

ピアノにずっと憧れていたが、

買える環境ではなかった。

時代的にも、ピアノがある家なんて、

経営者か医師の家だったらしい。

音楽の勉強をしたくても、
東京に進学させてもらえるような暮らしでもなかった。

母は結局、地元の大学に通い、
そして地元の公立学校の音楽教師になった。

母は想いをカタチに変えて生きてきたのだ。

わたしは、母のわたしたちへの想いには添えない。
26年間勤務していた職場を離れ、
新しい生き方を始めた。

ただ、自分の「想い」をカタチにする生き方、
この想いには共感するところはある。

その母の生き方に倣いたい。