小さな侵入者

わたしのパーソナルエリアは限りなく狭い。

わたしの周りにあるその壁は厚く、どこまでも高い。

わたしの世界に勝手に入り込んでくるモノは、

人だろうが、何だろうが受け付けない。

わたし自身が招きいれたのではない限り、

受け入れることが出来ないのだ。

それがわたしの限界を決めている。

でも逆に、わたしの外の世界で起こることは、

冷たいほど冷静に、客観視できるのだ。

自分自身でもそれが分かるときがある。

先日、我が家に小さな潜入者がいた。

最初、それは、トイレの壁にいた。

それが何の前触れもなく、わたしの足元に落ちてきた。

わたしは声にならない悲鳴をあげた。

急いでそこから離れた。

しばらくして、母がトイレに行った。

その時にはそれはもういなかった。

わたしは即、自分の部屋周りを確認した。

何の気配もなく、とりあえず安堵した。

自分の部屋にさえいなければいい、

その思いが強かったのだ。

別に排除しようとかまでは思わない。

わたしと関係ない場所にいるのなら、

わたしに関わってこないのなら、

それでいい。

誰に対してでも、そういう思いが心のどこかにある。

だからわたしも誰かのスペースに入ろうとは思わない。

必要とされるなら、招かれるだろう。

そう思ってしまうのである。

愛情も嫌悪も「熱い想い」だ。

愛情も嫌悪も感じない冷たい場所。

それがわたしの中の陽の当たらない場所なのだと思う。