母の柿

今年、家の庭に柿が成った。

母の柿である。

先日、

玄関で鋏の音がした。

母が屈んで何かを切っていた。

柿に付いた枝だった。

「今年はこれだけ成ったんよ。」

母は嬉しそうに言った。

葉っぱは虫がダメにしているし、

甘いかどうかも分からない。

でも、先日の新聞に柿ジャムの作り方がでていたから、

試してみようと思って。。。

そう話した。

柿の木は、庭好きな母が、小さな苗木を買ってきて

自分で植えた。

柿の木は、虫が付きやすい。

消毒液を自分で蒔いたりもしていた。

今年は思い切って、業者に頼んだらしい。

数年前、父と祖母が逝ってから、

庭に足を踏み入れるのは母しかいない。

野菜を植えてみたり

花を植えてみたり。

一人で調べて、

一人で考えて、

一人で楽しんでいる。

いろいろな想いを背負っているだろう、

母の背中を見ながら、

こういう生き方もあるのだと思った。