傷を追いし人たち

どうしても癒せない傷がある。

いつまでも痛み続ける傷がある。

恐らく、一生治らない傷だ。

誰にも話せなくて、

自分一人で抱えて、

痛みに耐えながら、

血を流しながら、

一生抱えていく傷だ。

でも、それは生きてきた証だ。

いろいろなことと戦ってきた証だ。

だからその傷は、名誉の負傷のはずだ。

それなのに、

どうしてその傷を隠そうとするのだろう?

どうして、平気なふりをしているのだろう?

どうしてその痛みを誤魔化そうとするのだろう?

醜いのは傷を負った姿ではない。

その傷を隠そうとする姿である。

誰に話さなくてもいい。

誰に見せなくてもいい。

でも、もしいつの日か、

その傷を誇りとすることが出来たなら、

痛みはなくなるのかもしれない。

もう、血は流れない。

そうして、きずは癒えていくのだと思う。