家族だからこそ

15年前から、
母は毎日妹の家に詰めている。
子どもたちと一緒に留守番をすることが
日課になっている。
夕方、どちらかが帰ってくるまで一緒にいる。
それから帰宅する。

まだ子どもたちが小さかったころ、
妹夫婦の帰宅が遅いときは、
ご飯を食べさせ、
お風呂に入れ、
寝かせていた。

わたしも何度か手伝った。

そういう母を見て、
周りの人は大変だねと言っていた。

妹にも、お母さんが近くにいてくれて
助かるね、という人もいた。

でも、妹はあっさりしている。
いろいろと助かってはいるだろうが、
特別なことだとは思っていない。

家族なのだから、当たり前のことだと思っている。

妹は生まれたときから、
祖母と一緒に暮らしていた。

妹とわたしは、
生まれてすぐ、家の事情で、母の実家に預けられた。

新しい家を建てたとき、
祖母も一緒に暮らすことになった。

だから、結婚するまでの間、
妹は祖母と離れることがなかった。

忙しかった母は祖母に家のこと、
わたしたちのことを任せていた。

妹にとってみれば、
それが自然の姿、
ある程度任せるのは当たり前なのだ。

妹にとっての家族とは、
姓とか、一緒に住んでいるとか、いないとか、
そういう境界線がないのかもしれない。

そういえば、結婚したあとも
しばらくは「ただいま」と言って、
勝手に入ってきたらしい。

逆に妹の家に行ったときにも、
勝手にはいれば?
って空気が漂っている。

母も少し呆れている。

下の子も、今年から中学生。
もう母の手を煩わせることはない。

「でも、子どもたちだけにしておくわけにもいかんし、
ピアノの練習も見ないといけないから」

結局、それが母も嫌ではないのだろう。
これが我が家の家族のあり方かもしれない。

もう数年、母の日課は続きそうだ。