「お母さん、背中流そうか?」

令和元年のゴールデンウィークの最終日

母と宇奈月温泉郷きた。

ここにきたのは今年は2回目になる。

幼い頃とは違い、

母と一緒にお風呂に入ることもほとんどなくなった。

年に数かい、銭湯に出かけるくらいだ。

そこで決まって母は言う。

「背中洗って」

わたしたちは昔から、

母と背中を洗いあいっこしていた。

母も祖母にゴシゴシ洗われていたらしい。

幼い私たちの背中を力を込めて洗った。

アカスリタオルが痛くて、

わたしたちは悲鳴をあげた。

そして、わたしたちの番になると、

母は、もっとしっかり!と注文をつけた。

白い母の背中が見る見る赤くなった。

痛い?

と聞いても、

全然平気そうだった。

今でもそれは変わらない。

母は、しっかり洗ってと注文をつける。

そして、わたしの背中を力を込めて洗う。

でも、あの白くて大きかった母の背中が、

今また少し小さくなったように思う。

その背中に、今母は何を背負っているのだろうか。

今年、また新雪が降る頃、

また一緒に来ようと思った。