まだ終わらない物語

たまたま見ていたニュース番組で、

残留日本人のおばあちゃんを紹介していた。

戦時中、父親は日本へ帰国、

戦争が終わっても、父親は迎えにはこなかった。

母親と取り残された、異国での辛かった日々、

自分たちを捨てた父親を恨み呪ったという。

あれから70年以上が過ぎ、

ようやく彼女は日本の土を踏むことができた。

父親のお墓の前で、

彼女は泣きながら

「ありがとう」と「ごめんなさい」を繰り返していた。

その映像で、わたしの涙腺は一気に崩壊。

彼女はそのあと、

いまは、もう恨みも何もない。

ただ、命を与えてくれた父も御礼が言いたかった。

そう言っていった。

今もまだ残留日本人はたくさん居るという。

戦争はまだ終わってはいないんですね。

最後にそうコメントしたキャスターの一言が、

印象的だった。

わたしには忘れようとしても忘れられない人がいる。

人間の記憶は残酷だ。

全ての思い出を美しく見せる。

でも時々、人混みの中に似た人をみると、

心臓が締め付けらるような痛みを覚える。

そして、そのとき思い知る。

まだ、わたしの中では終わっていないのだということを。

いつか、わたしも

「愛をありがとう」と「出逢えてよかった」

と言えるのだろうか?

今のわたしには、まだわからない。