自分を許せる言葉がある

わたしは10年前、

遠距離恋愛をしていた。

友情も信頼も失うほど、夢中になっていた恋だった。

東日本大震災のあった次の年、

わたしたちは別れた。

わたしの方から一方的に別れを告げた。

そして、わたしはひたすら彼を思い出にしてしまおうと、

生きてきた。

別れたあとの、わたしの人生を、

価値あるものにしたかった。

自分のためにいきる、と宣言した。

真っ直ぐ、熱く生きようと思った。

そして、そうなるべく生きてきたつもりだ。

でも、先週、

思い知らせらされた。

わたしの中では、何一つ終わっていない。

あれほどの想いを手放した自分を許していなかった。

ずっと自分を責めてきた。

何故なら、

そのときのことを語るわたし自身の言葉から、

「逃げた」

「降りた」

「終わらせた」

「引いた」

など、ネガティブな言葉しか出てこなかっからだ。

わたしはずっと言葉を探していたのだ。

わたし自身を救う言葉を。

そして、今、ようやく新しい言葉が出た。

「自分を取り戻した」

その言葉は、わたしの凍りついた想いを

一気に溶かしてくれた。

そう、

わたしは自分を見失うほど、彼を愛していた。

そして、あの日、

ようやく自分を取り戻すことが出来たのだ。

でもそれは、想いを捨てることではない。

だから、今なお忘れられなくて当たり前なのだ。

たったこれだけを理解するのに、

わたしは何年かかったのだろう。

でも、これでようやく、

自分を許せる気がする。