魔物の正体

好きなこと、楽しいこと、嬉しいことは

誰でも熱く語るのに、

嫌いなもののことは、あまり語らないのは、

何故だろう。

悲しいこと、辛いこと、大変だったことは、

聞いてほしくなるのに、

嫌なこと、怖いことについては、

あまり語らないのはどうしてだろう。

話せば、思い出してしまうから。

話しても、どうしようもないことだから。

そういう思考が動くのかもしれない。

でも、それは、

受け入れることではない。

そして、忘れてしまうことでもない。

もちろん、手離すこともできない。

少しの間、目を逸らす、

思考にふたをする、

そういうことなのだ。

そして、いつもそれは

そこにある。

魔物のように、そこに潜んでいる。

だから、

わたしは向き合うことにした。

嫌いなもの、

苦手なもの、

みたくないもの。

ひとつひとつ拾い上げていくと、

その姿が見えてきた。

食感も、触感も、そして感情も、

生々しいモノ。

それが魔物の正体だった。

好きなこと、楽しいこと、嬉しいことを

語るのは簡単だ。

悲しいこと、辛いこと、大変だったことも、

語るのは簡単だ。

でも、言葉に出来ないことの中にこそ、

課題や問題がある。

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