深夜のコンビニ

「ありがとうございます!またお越しください!」

深夜のコンビニで、元気よくそう言っているのは、

高齢の男性だった。

買い物客は、若干戸惑い気味で、

中途半端に頭を下げる。

微笑ましさと同時に、少し切なくなった。

長い間、家族のために働いてきたはずだ。

今は何故、こんな時間まで働かなければならないのだろう。

同じ年頃の母なんかは、あっけらかんとしている。

「健康のためなんじゃない?自分のおこずかいにもなるし」

そうかもしれない。

案外、本人は楽しいのかもしれない。

多分、わたしたちは、

まだまだいける、

誰かのために頑張れる。

自分を必要としてくれる人がいる。

そう思えることが生きていくためには必要なのかもしれない。

働くことは義務ではない。

誰もが持っている権利なのだ。

コンビニに寄る人は、

常連ばかりではない。

通りすがりの人たちも結構いる。

でも、その一人ひとりに頭を下げ、

「またお越し下さい!」と声をかける、

その姿勢が、わたしたちに「働く意義」を

教えてくれるような気がする。

もしかしたら、

仕事が終わった後は、ビールでも買って帰るのかな。

案外、その一杯のために頑張っているのかもしれないな。

彼の笑顔が、

それを告げている気がした。