母たちの群像

わたしは母ではない。

だから、母の想いはわからない。

でも、多くの母たちの姿を見てきた。

どんな人からも、

どんな事柄からも、

我が子の盾となり、守ろうとするその姿、

どんな些細なことでも、

どんなに抱えきれないことであっても、

我が子を理解し、受け止めようとするその姿、

どんな朝でも、

我が子送り出し、帰りを待つその姿。

寒くはないかと、気にかけ、

雨に濡れないかと、心を配るその姿。

どんな夜も、

我が子の見る夢が、好いものであるようにと、

寝顔を見つめる、その姿。

どんなに遠く離れていても、

毎日我が子のことを想い、

その身を案じ、心を砕くその姿。

そして、

いざというときは

我が子のために、全てを捨てようとする、その姿、

母たちのその姿は、

待つということ、

信じるということ、

見守るということ、

愛するということ、

多くのことを教えてくれる。

そして、

時々、母親という名前を、

そっと外してみる、その姿。

女性として、

ひとりの人間として、

そうして生きていこうとしている、

母たちの、その姿には、

凛とした美しさがある。

これが、

わたしの知っている、

母たちの姿である。