モノゴトというものは、低いほうに流れやすい

ある事務所に、

一人の新入社員が入ってきた。

新しい空気を持ってきた彼女は、

その職場の独特の雰囲気になじめず、

最初、その職場から浮いていた存在だった。

そんな彼女はよく言っていた。

「あの人たち、考え方が変。わたしには理解できない」

でも、数か月後、

彼女はその中に溶け込んでいた。

それから数か月後、

また新しい人がきた。

やはりしばらくは、馴染めないようだったが、

いつの間にか馴染んでいた。

「朱に染まれば赤くなる」

「郷に入れば郷に従え」

「長いモノには巻かれろ」

日本語にはそういう諺(ことわざ)がある。

だから、彼女たちの気持ちもよくわかる。

そうしないと、日々を過ごしていけなかったのだろう。

水は髙い場所から引く場所に流れる。

自然の摂理である。

同じ高さに留まったり、

髙い場所に流そうとすると、力が必要になる。

何もしなければ、

下流に流されていくだけ。

これはわたしたち自身にも言えること。

だから、染まるということは、

合わせるということなのか、

それとも、流されるということなのか。

従うということは、

受け入れるということなのか、

盲従するということなのか。

巻かれるということは、

委ねるということなのか、

任せるということなのか、

自分自身を省みる必要がある。

わたし自身、少しずつでもいい、

高みを目指したいと思う。