涙が流れたら、もう大丈夫だよ

泣く、というと
あまりいいイメージはなかった。

子どものころから、
わたしはすぐ泣いた。

泣き虫とか弱虫、
そう言われてていた。

だから、泣くのは弱い子なのだ、
そう思っていた。

「すぐに泣くな」、
親からも、いつもそう言われていた。

「人前で泣くんじゃない」とか、
「簡単に涙を流すな」、

「泣くときは一人で泣くものだ」
多分、そういうことを言いたかったのだと思う。

でも、子どもにはその真意は伝わらない。

だから、涙は堪えなければならないもの、
そして自分はそれが出来ないから弱いのだ。

そう思っていた。

今でも、
すぐに涙が出る。

悔しいとき、
後悔しているとき、

また、嬉しいとき、
感動したとき、
心の琴線に何かが触れたときにも、
簡単に涙が出てくる。

でも、
本当に辛いとき、苦しいとき、
そういうときは涙が出ない。
声も出ない、息も出来なくなる。

父が逝ったとき、
彼への想いを手放そうと思ったとき、
祖母を病院へ入れたとき、

涙は出なかった。

顔は強張り、心も強張った。

涙を流したのは、しばらく時間がたってからだった。

ようやく「つらい」「哀しい」という想いを

言葉に出来た。

そのとき、ようやく涙を流した。

涙は心身の緊張を緩めてくれる。

涙が流れれば、もう大丈夫なのです。

そして、どんなことがあっても、

涙が流れている間は、きっと大丈夫。

まだまだ頑張れる、

そう思っています。