ちょっぴり切ない冬物語

無名作家が本を出した。
そこには語り尽くせないほどの、傷跡がある。

そういうえば、昔同じような体験をした。

クリスマスイベントで知り合いになった男の子と、
スキーにいったのだ。

わたしに出来るのはボーゲン程度。
でも、その人は、セミプロ級だった。
それを聞いたわたしは、
満面の笑みで、
「スキー行きたいな!」
その頃流行った、
某有名映画のヒロインへの憧れもあったのだ。

その彼は、わたしをスキーに連れて行ってくれた。

リフトにも乗った。
でも、頂上まで行った。

迂回路があるから大丈夫だよ。

彼は軽く言った。

でも、そんなに甘くはなかった。

迂回路でも、必ず、上級コースと交差する箇所があるのだ。

当然滑れるわけもなく、ずり落ちるまにまに。

傷だらけで帰ってきた。
その彼はとも、そこで終わった。

人生初の出版も、
これに近いものがある。

でも、違っていることはただ一つ、
「ときのまにまに」はまだ終わらない。