ある国の物語

これはある国の物語。

その国の王様は絶対的な権力を持っていた。
その王様はいつも言っていた。
「わたしの言うことを、聞きなさい。
そうすれば、みんなが幸せに暮らしていけるのだから。」
確かに、その国には不幸がなかった。
みんなは王様の言うことをよく聞いた。
王様が言うことに疑問を持たなかった。
税金きちんと払った。
暮らしとは、そういうものだと、
誰もが思っていた。

ところがある日、
1人の青年がこの国を訪れた。
そして人々の暮らしを見てこう言った。

「なぜ、あなたたちは王様の言うことを聞いているのですか?」
「だって、それが普通じゃないですか。彼は王様なんだから」
「隣りの国では、みんな自分たちの意見を出し合って、
国を動かしていますよ。一人ひとりが自分の意見を持っていますよ。」
「それは、すごいですね。わたしたちもそのようになれるでしょうか?」
「もちろんです。簡単です。わたしはいろいろな国でそう呼びかけてきました。
そして多くの人が賛同してくれました。」
「それでは、わたしたちにもも是非」

数年後、ほとんどの国から王様が消えた。
そして、今、その青年はこう呼びかけている。

「わたしたちは、今や自分たちの意見を自由に言うことが出来ます。
みんなの意志がこの国を動かしているのです。
さあ、新しい時代を作りましょう!」

国民、全員が歓喜した。
自分たちは自由だと叫んだ。
一人ひとりがが国を作るのだと信じた。

さて、王様とこの青年、
一体どこが違うのでしょうか?