希望の生まれる場所

今、わたしたちはかつて経験したことのない

状況にいる。

1年前、半年前、誰がこんなことを想像していただろう。

人と会えなくなるなんて、外に出られなくなるなんて、

誰が想像しただろう。

平和、時代はいつまでも続かないと、唱えながら、

こんなに世界が変わるなんて、誰が想像しただろう。

今、変わっていく世の中を目の当たりにしながら、

不安を感じていない人なんていないだろう。

漠然とした不安がだんだん現実になって、

それがじわりと身近に迫ってきて、

ようやくわたしたちは思い知る。

当たり前のことが、当たり前ではなかったのだと。

大切な何かに気付いていなかったのだということを。

自分の生きがいだったことを奪われ、

自分が楽しみにしていたことを奪われ、

自分の夢も奪われていく世の中。

そしていつ自分がその渦中に飲み込まれ、

人々の前に、まるでテロリストのように晒され、

命まで失いかねない恐怖。

毎日怯えている。

それでも、SNSにはポジティブな投稿が溢れ、

繋がりや絆をアピールしている。

言葉でその恐怖を振り払うように。

言葉でその恐怖を忘れるようとするように。

でもポジティブな言葉で塗り固めた恐怖は、

不安という名の黒い影となって心の中に染みてくる。

いずれは心を覆い尽くす。

だとしたら不安や恐怖を隠さない方がいい。

素直に不安と向き合えばいい。

会えない寂しさを隠さなくていい。

ただ「会いたい」と言えばいい。

「この時期だから」とか「これを機会に」なんて、

聞き分けのいい人にならなくていい。

「これが今自分に出来る精一杯のことだから」

悔しそうにそう言った方がいい。

本当の希望は、その言葉の中からこそ生まれると思う。