失っても、なお得るもの。
新型コロナウイルスは、
命、健康、仕事、そして行動と、
わたしたちから多くのものを奪った。
そして、いまだ衰える様子も見せもせず、
今度は優しさやゆとりなど、
わたしたちからまた多くのものを奪おうとしている。
悪魔の話を聞いたことがある。
悪魔は直接悪さはしない。
人々の心の弱さをついて、
人々を悪へ誘うという。
これは、今の状態と同じではないだろうか。
そして今回のウイルスのもたらす危険は
わたしたちの心の中にあるのではないだろうか。
自分の身を守ることだけに奔走する人たち。
自分たちさえ困らなければいいと、買いだめをする人たち。
自分たちさえ、感染しなければいいと、
感染した人たちを拒否する人たち。
自分たちは感染しないという慢心で動き回る人たち。
通常時は、わたしたちはモラルを持って生活している。
でも、一旦非常時になると、人はどこまでもエゴに走る。
人としての矜恃はどこへ行ったのだろうと思う。
でも、これが人の持つ弱さゆえであるのなら、
それを責めることも出来ない。
でも、このウイルス戦争に、再び人類が勝利するためには、
勇気を持って、自分の弱さと立ち向かうこと、
不安や恐怖から目を逸らさずに、しっかりと足元をみること、
人の持つ優しさと友愛を信じ、今は耐えること、
これしかないと思う。
そうすれば、いつかコロナが収束したときに、
わたしたちは、きっと大きなものを得ることが出来る。
そう信じている。