ときのまにまに 番外編 ③アン・バランス

また今日もこんな時間だ。
時計を見ると、1時を少し回っていた。
最近、夜中によく目が覚めるのだ。

以前はこんなことはなかった。
別に寝苦しいわけではない。
悪夢を見たからでもない。
本当に、ことんと目が覚めるのだ。

脳が、というよりも、
意識が覚醒する、
そういった感覚に近いかもしれない。

特にそう、
この春、新型ウイルスが蔓延し始め、
緊急事態宣言とかいうものが発令された頃からだ。

なるべく人同士の接触を避けるように言われ、
とりあえず勤務も交代制になった。
逆に職場も開店休業状態だ。

身体を使うことがないのだから、
疲れようがない、

というか、身体だけが疲れないという
異常な状態が続いているから、
こんな時間に目が覚めるのかもしれない。

心と身体は常にバランスをとっている.。
身体が疲れすぎたら脳が休めといい、
脳を使いすぎたら、リフレッシュしたくなる。

そういえば、街も人も活気というものが、
あまり感じられない。
その原因も、今のこのアンバランスのせいなのだ。

何かを始めたくても始めることが出来ない。
でも、何かしなくてはならない、
今だから出来る何かを見つけなくてはならない、
というプレッシャーを感じているからかもしれない。

いい塩梅にその折り合いをつけることが、
人はなかなか出来ないのだ。

バランスが崩れたら、人はどうなるのだろう。

このままじゃいけない、と思う。
長期化しそうなこの騒動、
早く自分なりの折り合いをつけていかないと、
本当にまいってしまう。。。

そうだ、明日は久しぶりに外に出よう。
少し身体を動かそう。
外の空気を思いっきり楽しもう。

そうすれば、明日の夜は、
きっとぐっすり眠れるに違いない。

いろいろ思い巡らしているうちに、
まぶたが少しずつ重くなってくる。
意識も少しずつ、少しずつ、薄れていく。
ああ、なんとか眠れそうだ、なんとか・・・・・。

静寂な闇が、一段と濃くなったようだった。

※これはフィクションです😊