あなたのように、生きていきます

母ちゃんと僕

何でも話してきてたのに、
全く知らなかった、母ちゃんのこと。
ずっと気づかなかった、
母ちゃんの想い。

昼間はいつも一人で家に居て、
親父がいなくなってからは夜も一人で、
どうして、過ごしているのか、
僕は全く知らなかったんだ。

世間に悪い風邪が流行り、

テレワークになったよ!

と、いったとき、
母ちゃんはほんの少しだけ、
戸惑った顔をしていたね。

毎日楽しみにしている連ドラ。
お昼に聞いている音楽。
うたた寝をしながら過ごす、読書の時間
買い物と一緒に楽しむ、近所の人たちとのお喋り。

僕は見たことがなかったんだ。
自分の時間を楽しんでいる母ちゃんの姿を。
全てのことを受け入れ、乗り越えてきた母ちゃんの笑顔を。

僕はずっと、いなくなった親父の代わりだ!って、
どこか気負っていたけど思っていたけど、
母ちゃんにはそんなの全く必要なくて、
ちゃんと自分の人生を歩いていて、

テレワークの間に一緒に過ごせた時間は、
母ちゃんにとってはかなり窮屈だったと思うけど、
あの時間があったからこそ、
母ちゃんのこと、少し分かった気がするよ。

だから僕も自分のこと、これからのことを、
ようやく考えることが出来たんだ。

会社と家の往復だけの毎日で、
たまに時間があっても、
何をすればいいのかも分からない、
僕のこれまでの人生を、ようやく見直しているよ。

母ちゃん、
これからは僕も、
あなたのように笑い、
あなたのようにたくましく、
あなたのように輝きながら、

あなたのように、生きていきます。