「風の時代」って、よく聞くけど
今は「風の時代」らしい。
最近、そういう言葉をよく目にする。
でも、わたしの周りは凪いでいる。
荒れ狂う嵐も、
全てを焼き尽くすかのような熱風も、
凍てつくような北風も、
今はもう吹いていない。
わたしはただ一人、
大海原に浮かんでいる気がする。
そのうちに、吹いて来る風が、
わたしを船ごと運んでくれるのを待っていた。
その風が、私があるべき場所へ連れて行ってくれると
思っていた。
だって、どんなに頑張ろうと思っても、
逆風が吹けば押し戻されてしまう。
また、追い風に背中を押されることもある。
だから、ただ風の流れるままに、生きてきた。
でも、
「そろそろ、自分で舵を取ろうよ」
「そろそろ、自分の力で泳いでみなよ」
その声は、どんどん大きくなってくる。
わたしは大丈夫だろうか?
本当に、わたしは大丈夫だろうか?
毎日、繰り返される自問自答、
そして不意に見つけたその答え
わたしの周りに吹く風は、どこかの誰かの風ではない。
わたし自身の行動によって生じる風なのだ。
凪のときは終わった、これからは風の時代になる。
だからわたしは動き始めよう。