つぐない

冬はきらいだ。
北陸の冬は、色を消す。
辺り一面、銀世界となる。
雪が街の色を覆い尽くす。
純白、というかもしれない。
清らか、と思うかもしれない。

でも、そうは思えない人間だっている。
自分の心の中にある黒い思いが、
浮き上がってくる気がするのだ。

大切な恩人を裏切った。
その想いに応えることが出来なかった。
それいらい、ずっと罪悪感を抱いている。

「いつか、償おう」
そう思って生きてきた。
償えば、きっと浄らかになれる。

でも、償えば、
今の自分を捨てることになる。

そんなことはできない。
そこまでの覚悟はない。
そこまでの決意もない。

だから、もう少しだけ待っていて欲しい。
いつか、必ずいつか償うから。

今晩も雪が降っている。
明日はきっと積もるだろう。
聖なる夜も、私の上をただ通り過ぎていくだけ・・・

その頃、一人の女性が、彼女のために、
流れ星に祈りを捧げていた。

彼女は、そのことを知ることはなかった。