書くということは、土を耕すことに似ている。
硬い土に、何かを植えようと思ったら、まず掘り起こす必要がある。
それは、とにもかくにも、まずはいろいろ書いてみるということだ。
思いつくままに、そして闇雲に、無我夢中で書いてみればいい。
そうすると、なかなか硬いものがあることに気づく。
どうしても、取り除けない岩があることにも気づく。
それを取り除くには、もっと深く掘るか、砕くしかない。
そうして柔らかい土壌を作っていく。
そうして、ようやく種を撒いたり、
何かを植えることが出来るようになる。
それでも、ただ植えるだけでは育たない。
何を植えるかによって、手段や方法は違ってくるからである。
言葉も同じだ。
何を咲かせたいのか、何を収穫したいのかで、
選ぶ言葉や、必要な思考が違ってくる。
だから、もしかしたら、なかなか実らないのは、
土壌がまだ出来上がっていないからなのかもしれない。
または、根腐れを起こすほど、水気があったり、
水が足りなく、土が再び硬くなってきているのかもしれない。
何事も、ほどほどが大切ということだ。