わたしが心理学を学び始めた理由

誰かの声に誘われ、

わたしは薄暗い階段を、一段一段降りていく。

そして、一番下には扉が一つある。

「さあ、その扉を開けて。

あなたの知りたがっていた答えは、この中にあるから」

その声が囁く。

その扉の向こう側には、

何があるのか、

それとも何がいるのか。

見たい、見たくない、

知りたい、知りたくない、

わたしは、ドアのノブに手をかけたまま、

動けなくない。

「さあ、開けて、開けて、開けなさい」

その声はどんどん大きくなる。

そこで、暗転。

ドラマや映画でよく見る催眠療法シーン。

扉の奥にあるのは、封じ込めてきた過去の記憶らしい。

それを呼び覚ますことによって、

問題の解決へと導くのだそうだ。

正体のわからないものに、人は恐れる。

正体がわかれば、人は立ち向かっていけるのだ。

過去の記憶の扉の向こう側

自分自身の中にある闇に蠢く感情。

いつの間にか迷い込んでいる、

思考が交錯する迷宮。

その正体を知りたい(書きたい)

それがわたしが心理学を学び始めた理由である。