未来に目を向けるということは、過去を否定することではない。また、過去を懐かしむということは、今を見ないということでもない。
未来に目を向けるということは、過去を否定することではない。
また、過去を懐かしむということは、今を見ないということでもない。
過去には拘らない、未来しか見ない、という言葉をよく耳にする。
一見、とても前向きな言葉だと思う。
でも、それは過去を忘れることでも、捨てることでもない。
どんな過去でも、その時があったからこそ今の自分がある、
そういう当たり前のことを私たちは時々忘れていないだろうか。
例えば、押入れやクローゼットの奥から、
昔の日記帳を見つけたとき、
読み返して赤面する。
なんておバカなことを書いていた(していた)のだろうと、
破って捨てたくなる。
また、子供のころの数々の栄光。
コンクールで入賞したり、大会などで表彰されたり。
それを懐かしんだり、今の自分と比べてみたりして落ち込むこともある。
昔の自分は嫌い、今の自分が好き、とか、
昔はよかった、あの頃に戻りたい、とか、
でも、昔の自分も、自分が好きになってあげないと
昔の自分が可哀想になる。
昔に戻りたい、と思ったら、
今の自分、これまでの頑張り、これまでの絆、
全てを否定することになる。
どんな時代だって、
頑張っている自分、支えてくれた人たち、
多くの想いを受け取ってきているのだから。
未来を見据えることは、過去を否定することではない。
また、過去を懐かしむことは、今を否定することでもない。
人生とは流れていくストーリーだ。
これまでの時間をリセットすることも、白紙に戻すことも出来ない。
また、時間を遡って振り出しに戻ることも出来ない。
もし、自分がすっかり変わったと感じるのなら、
それまでに通ってきた道があるはず。
その過程が、より好い未来へ進むための道標じゃないかな。