「ボクに任せておけば大丈夫!」

「ボクに任せておけば大丈夫!」
年明けの出勤バス。
ほとんどが今日から仕事始めの人たちだろう。
コートも靴も、手入れが行き届いている人たちばかりだ。
そこに乗り込んできた少年がいた。
一緒に乗ってきたのは、欧米系の少年。
二人とも、身体ほどあるスーツを携えていた。
少年は二人分の整理券を取り、
その彼を空いている席に誘導する。
彼の分の回数券を見せながら、
空いている席を指さすところを見ると、
多分、英語は自信がないのだろう。
彼の方も、慣れているのか、
軽く頷いて、空いている席に座った。
ホームステイに来ている少年だろうか。
これから帰国の途につくのだろうか。
でも、二人ともスーツケースを持っている。
二人で旅行にいくのだろうか?
それにしても連れの少年は旅行慣れしているのだろう。
ゆったりとスーツケースに手を置いている。
一方、当の少年はスーツケースが転がっていかないように、
持ち手に腕をくぐらせて、小銭を数えている。
そんなに、余裕はなさそうだけど、
「ボクに任せておけば大丈夫」
彼の心の声が、最後列にいたわたしにまで
聞こえた気がした。
頼もしいよ。
しっかり彼をエスコートしてあげてね。