先日、文豪の直筆原稿が失われつつあるという、
ニュースを見た。
映像で見たのは、夏目漱石原稿だった。
原稿用紙に、幾つもの修正を入れている。
言葉一つ一つに、込めている想いが伝わります、と解説していた。

文章って、スラスラなんて書けない。
スラスラ書いているわけじゃない。

同じ内容を書いていても、
言葉の並び替え、言葉の選び方で伝わり方が違う。
伝わるイメージが大きく違う。

海水を、海水と書くのか、海の水と書くのか、
星空と書くのか、夜空と書くのか、
早朝と書くのか、明け方と書くのか、

自分の中にある伝えたい想いを表す言葉はどれなのか、
考え、迷い、書き直す。
わたしも何度もその作業を繰り返している。

「ときのまにまに」は9回書き直した。
「紅蓮色の情熱」も6回目だ。

だから、文章って、スラスラなんて書けない。
スラスラ書いているわけじゃない。

そういうもんだと思う